10月30日
値決めと同様に、社長の大事な仕事の1つが、資金繰り。その要は売掛金の回収にありますが、自然災害や急激な物価高騰などの「予期せぬ変化」によって資金繰りが急速に悪化することもあります。いざというときに慌てないために、「資金繰りの3つの心得」を確認しておきましょう。
◎資金繰りの3つの心得
心得1 入金(売上・売掛金)の見通しを立てる
心得2 支払予定を洗い出す
心得3 すぐに調達できる資金をリスト化する
大きな自然災害や感染症の流行など、社会経済に大きな影響を及ぼす事態が発生した際には、国や自治体等によって支援策が講じられることがあります。万一のときは、各省庁や自治体等が公表する最新情報をこまめにチェックしましょう。
印紙税とは、日常の経済取引に伴って作成する契約書や金銭の受取書等に課される税金のことです。印紙税の課税対象となる文書を「課税文書」といい、課税文書にあたるかどうかは、文書のタイトルや呼び方ではなく、内容によって判断されます。例えば、「注文書」は通常、印紙税の課税対象とはなりませんが、「◯月◯日付御見積書に基づいて次の通り注文いたします」などと、相手方が作成した文書等に基づく申込みであることを記載した場合、「契約書」とみなされ、課税対象となるケースがあります。
課税文書に収入印紙を貼り忘れたなどの場合には、「過怠税」として、納めなかった印紙税額の3倍(本来の印紙税額+その2倍相当額)を徴収されます。ただし、税務調査前に貼り忘れ等に気づいて申し出た場合は、過怠税は1.1倍(本来の印紙税額+その10%相当額)となります。過怠税は損金(必要経費)に算入できません。
本来は課税文書にあたる内容であっても、それが紙ではなくPDFなどの電子データ化されたものであれば、課税されません。電子契約をはじめとする電子取引を増やすことで、納める印紙税額が少なくなる可能性があるほか、事務負担の軽減による業務効率化も期待できます。
令和9年1月1日から、0歳〜17歳の子どもを対象とした少額投資非課税制度「こどもNISA」がスタートします。
こどもNISAでは、子ども本人の名義で口座を開設し、年間60万円まで積立投資を行うことができます。非課税保有限度額は600万円で、投資した金融商品から得られる運用益・売却益に対して通常課される約20%の税金が非課税となります。また、非課税期間は無期限。18歳に達すると、NISAのつみたて投資枠(非課税保有限度額1,800万円)へ自動的に引き継がれます。投資対象は「長期の積立・分散投資に適している」と金融庁が認めた一定の投資信託に限定されているため、リスクを抑えて安定的かつ長期的な資産形成を目指せる制度といえます。
ただし、こどもNISAは投資制度のため、進学時など資金が必要なタイミングで市場環境が悪化している場合などは、元本を下回る可能性も。また、原則として、親や祖父母から子・孫への資金拠出は「贈与」にあたります。こどもNISAの年間投資枠(60万円)の範囲内であれば、通常は贈与税の対象にはなりませんが、他の贈与と合算して、年間110万円(贈与税の基礎控除額)を超える場合は贈与税の申告と納税が必要です。
9月30日
多くの会社員(給与収入のみ)にとって、所得税の納税を完了させるための重要な手続きである年末調整。特に次のようなケースにあてはまる従業員がいる場合は、手続き上、他の従業員と異なる点や、令和8年度税制改正(令和8年12月1日施行)の影響を受ける可能性があるため、気をつける必要があります。
・中途採用で入社した
・年末に結婚した
・見込年収額が昨年と同額である
・配偶者がパートで働いている
・大学生の子どもがいる
・生保に加入している(子育て世帯)
・マイカー通勤をしている
2年連続で年末調整に大きく関係する税制改正が行われたことから、例年よりも年末調整事務が煩雑になります。手続きを始める前に、注意すべき点について最終確認しておきましょう。
経営者をはじめとする役員の退職金は「引退するときに考えればよい」と後回しにされがちです。しかし、準備が不足していると退職後の生活はもちろん、会社の資金繰りや事業承継にも影響します。このような問題を避けるためにも、役員退職金の検討は後回しにするのではなく、事業承継後の会社経営の安定をも見据えて、早い段階から考えておきたいものです。
役員退職金の支給額や支給時期が適正であれば、全額を損金算入できるため、会社にとっては税負担の軽減につながります。
受け取る役員にも恩典があります。原則、退職金は給与所得ではなく退職所得に該当し、勤続年数に応じた退職所得控除があるため、給与所得として受け取る場合に比べて税負担が軽減される仕組みになっています。ただし、支給額が過大な場合や、退任の事実がないまま退職金を支給した場合などには、退職所得として認められないことがあるため、支給する前の検討は大切です。
役員退職金を計画的に準備するには、①支給ルールを整備する、②支給原資を確保する――ことが必要です。役員退職金の必要資金や準備方法について、一度考えてみてはいかがでしょうか。
物価上昇・賃金上昇が続く中、生産性向上や販路開拓等に取り組む中小企業にとって心強いのが、国や地方自治体が支給する補助金・助成金です。中小企業が活用したい補助金・助成金をピックアップしました。自社の状況と照らし合わせて、活用を検討してみましょう。
・小規模事業者持続化補助金
・中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)
・65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)
補助金・助成金ともに借入金ではないので、原則として返済する必要はありません。ただし、いずれも「後払い」。特に、補助金については交付決定前の発注や支払いはNG。入金も事業の実施完了後となるため、申請から入金まで数か月〜数年単位でかかることもあります。助成金は比較的早く受給できる傾向にありますが、それでも申請から支給まで数か月程度はかかるため、資金計画をしっかり立てることが大切です。なお、いずれも条件等を守らない場合は返還義務が生じます。
また、会計処理上、補助金・助成金は「営業外収益(雑収入)」として計上します。原則として法人税・所得税の課税対象となりますので、その納税資金の確保も必要になります。
9月3日
免税事業者などインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れについて、買手は、原則として仕入税額控除を行うことができません。ただし、一定期間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。
令和8年10月1日以後に行う免税事業者等からの課税仕入れについては、控除可能割合が「80%→70%」に引き下げられます。
この控除可能割合は、原則として、請求書の発行日や代金の支払日ではなく、資産の引渡し日や役務提供完了日である「実際の取引年月日」で判定します。そのため、10月1日をまたぐ取引や、その前後に行われる取引では、「80%控除」と「70%控除」が混在することから、「実際の取引年月日」に注意が必要です。
なお、令和8年10月1日以後も、免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置の適用を受けるためには、一定の事項が記載された帳簿および請求書等の保存が必要です。
すべての事業者には、法律上「帳簿(仕訳帳・総勘定元帳等)」と「書類(請求書・領収書等)」の保存が求められ、その保存期間・要件も規定されています。
税務調査への備えという観点からも、帳簿書類の保存がきちんとできているかどうかは非常に重要です。税務調査の際、取引内容を証明する請求書や領収書等が見当たらなければ、「経費」や「仕入税額控除」が認められない可能性があります。また、税務調査官の求めに応じて、売上や仕入の事実を裏付ける資料を提示できなければ、思わぬ追徴課税につながることもあり得ます。帳簿書類は、税務上の正当性を証明するための重要な証拠といえます。
紙の帳簿書類は、「種類ごと」「月ごと」「事業年度ごと」に整理し、月別・事業年度別のファイルや保存箱に保管します。電子で帳簿書類を保存する場合、電子帳簿保存法が求める一定の要件を充足することが必要になります。メールやPDF等で受領した請求書・領収書等の電子取引データは、原則として電子のまま保存しなければなりません。
自社の帳簿書類の保存状況やその方法について、再確認してみましょう。
本来、相続税評価は「時価」によるものとされていますが、貸付用不動産は実勢価格と相続税評価額との乖離が大きく、課税の公平性が担保されていないことが指摘されていました。中には、相続開始の直前に多額の借入れをして貸付用不動産を購入し、意図的に相続税負担を減らすといった極端な“相続対策”が行われたケースもありました。
こうした状況の是正のため、令和9年1月1日以後に相続等により取得する不動産のうち、被相続人等が相続開始前・贈与前5年以内に対価を伴う取引により取得または新築をした一定の貸付用不動産については、相続開始・贈与時期における「通常の取引価額に相当する金額」によって評価することとなります。
評価方法の見直し後は、貸付用不動産を取得する時期によっては、相続人に対して、想定していたよりも大きい税負担が課せられる可能性があります。現在保有している貸付用不動産の取得時期について確認しておくとともに、あらためて現時点で見込まれる相続税額についてシミュレーションしておくことをお勧めします。